相対的な自分の大きさ

2024年2月某日

今週は部屋の中から出ていなかった。通販で頼んでいたものがポストに投函されたとメールが届いていたので外に出る。ぬるい夜だった。アパートの隣の藪がざわりと音を立てて揺れる音を聞いて「広いなあ」と思った。

部屋にいる時は自分の大きさが部屋に対して大きくて、自分の辛いことや苦しいこと、自分のことばかりを考えてしまう。相対的な自分の大きさが大きくなるからのように思う。

最近読んだ坂口恭平著「自分の薬をつくる」という本の中で、画家デイヴィット・ホックニーの『自分に深刻になるな、作品に深刻になれ』という言葉を引用されていた。また、「死ぬまで生きる日記」の著者である土門蘭さんのXのポストでも『自分に関して深刻にならないということを最近大事にしている』という言葉に出会った。自分に深刻にならないって、今年の私のテーマな気がする。自分に深刻にならないためには、相対的な自分の大きさを小さくする、そういう場に行くことが必要だなと思った。

 

2024年2月某日

1週間ぶりに朝に体を起こした。5時くらいに野良猫の喧嘩の声で目が覚めて、それから寝付けず、横になって7時半くらいまで過ごす。それから夫の出勤と合わせて家を出た。

 

駅前のスーパーに併設しているパン屋が空いていたので、朝ごはんを食べる。パリという名のつくパン屋だから、ヨーロッパをイメージしたようなオルガン音楽が流れていて、優雅というより少し愉快でテーマパークのレストランのようだった。ブラインドから少しだけ日が差し込む。朝の光がとても好きなのに、どうして毎日憂鬱に目を覚ますんだろ、と思う。でも、逆にいうと、毎日憂鬱だけれど、朝の光がとても好きだ。