一緒に寝たい猫

2024年4月某日

ティアキンで発見していない洞窟を探して歩き回っていたら、日付が変わりそうになっていた。

 

布団を敷くが、お昼まで寝てしまったので日付が変わっても寝付けず、諦めて身体を起こす。自分の部屋に行き、持ち運び式のランプをつけて、そのオレンジ色の灯りで編み物を進める。四角形の格子モチーフをひたすら編んでいて、ビスチェか、気力が持てばキャミソールに、ワンピースと着丈が長くなっていく予定だ。

 

途中でぐっすり寝ていたはずの猫が部屋までやってきた。「ナウアーン!」と叱りつけるように鳴く。早く寝室に戻るように言っている。挙句には足を噛んで寝るように促すので、根負けして布団に戻る。ランプを持って布団に戻り、寝っ転がって編み物を続けてみるが体勢がきつい。結局諦めて寝てみようとするが朝方まで寝れず。猫は満足そうに私の毛布に上に乗って、脚にピッタリ寄り添って眠っていた。

文フリに出店します

文学フリマ東京38のブースが決定したので、お知らせさせてください。

お酒についての思い出をまとめたエッセイ「思い出お酒論」とこのブログの日記本「光の収集記」を作りました。

 

このブログの日記は「光の収集記」として三月の退職までの記事を修正して、日記ブログを始める経緯を載せたあとがきを追記し、編集しました。

 

文学フリマに行く予定だった人はもちろん、ご予定が合いましたら見に来ていただけますと幸いです。

 

 

甘いものが食べたくなる星廻り

2024年4月某日

猫の健康診断とフィラリア対策の薬をもらいに動物病院に行く。これまでハードケースのキャリーで病院に連れて行っていたが、腕がきついので試しにリュック型のキャリーに入ってもらう。歩いて十分ほどの距離にある病院なので、歩いて連れて行くにはリュック型の方が断然楽だった。

 

犬の狂犬病ワクチンの時期と重なっていたこともあってか、2時間ほど待つことになる。最初は興奮していた猫だが、途中からはキャリーの中で落ち着いていた。やっと番がやってきて、猫の採血が行われるが、なかなか取れないようで、右腕、左腕、それでもだめで別の獣医師がやってきた。私もなかなか採血ができなくて、いつも両腕に刺されるだけ刺されて別の人がやってきて、結局手の甲で、となりがちなので、猫にとても同情してしまった。別の獣医によってやっとのことで採血ができた。猫は「ナウウン!ウーン!」と一度だけ文句を言った。威嚇ではなく文句を言うところが優しい猫だと思う。

 

結局病院を出たのが午後14時ごろで、コンビニでとろろそばを買って帰る。猫にご褒美の美味しいご飯をあげて、自分たちもそばを食べる。それから、少しスプラトゥーンのフェスをやって、自分の病院に向かう。猫の病院でぐったりしていて、病院までの道のりは足が重たかった。

 

22時すぎ、突然アイスクリームが食べたくなって、夫とコンビニまで歩く。途中、コンビニスイーツのカップをそのまま手に持った人とすれ違う。甘いものが食べたくなる星廻りの日なのだろうか。結局塩辛いものをとピザポテトと、板チョコアイスを買って帰って食べてしまった。

出汁の違いをクイズにしてはいけない

2024年4月某日

文フリに持っていく用の本の原稿が仕上がったので、印刷所に発注をかけた。これが入稿というものか、と感慨深く作業を完了させた。文フリまで少し時間があるし、ここの日記も編集して本にしようかなと迷い、編集し始めている。製本ハイになっているのだろうか。

 

プロイスラー著「クラバート」を読む。水車小屋で働きながら魔法を習うことになったクラバートが、親方の支配から抜け出そうとする話。ファンタジーなのに、現実世界のようなシビアさが辛い。毎年、職人仲間の一人が必ず死んでいくシーンが不気味で怖かった。

 

最近、味噌汁を煮干しから出汁をとってみている。煮干しのパッケージには、煮出す前に三十分ほど水に浸すように書いてあったが、せっかちなので、これまで言われているよりも早く煮出していた。この間、気まぐれに三十分浸しておいたら味噌汁の香りが全然違った。その話を夫にすると、夫にもその香りの違いがわかったらしい。でも、今後は間違ったら恥ずかしいから、クイズにはしないで事前に教えてほしいと言われる。確かに我が身に置き換えると、クイズにはしないでほしいと思う。

 

2024年4月某日

夫が在宅勤務だったので、一緒にコンビニまで昼ごはんを買いに行く。夫は去年までツツジを知らなかったが、最近サツキとの違いまで調べてわかるようになったので、あれはツツジ、これはサツキ、と言いながら歩く。違いは葉と花の大きさがポイントだ。ツツジやサツキが咲くと、もうGWだなあと思う。

近所の家では藤の花も咲いている。桜はすっかり葉っぱだけになったけれど、新芽が明るい。暖かくなってきて、私自身も元気というか、外からのエネルギーを取り込めているような気がする。

 

ダイヤモンドと桜

2024年4月某日

BEYOOOOONDSとオーケストラがコラボした公演である BEYOOOOOPHONIC Ⅱを東京芸術劇場にて観覧した。オーケストラの厚みのあるバックサウンドに、それぞれのメンバーの声とダンスが乗るステージが眩しかった。去年も開催されており、その時も観覧に行ったのだが、去年よりも選曲やアレンジがクラシックというよりポップス寄りになっていて、「恋愛奉行」は特に気分が上がった。今日は島倉りかちゃんの声が心に残った。BEYOOOOOPHONICは毎年開催してほしいし、ハロプロのアイドルグループはリズム感があって歌が上手な子たちも多いので、たくさん生演奏コラボをしてほしい、と思う。

 

人の輝きに弱い。弱いってなんやねん。よく効く。キラキラとした人の輝きに触れて、火が灯るとき、私はまだまだ大丈夫だ、良かった、と思う。BEYOOOOONDSの公演は本当に元気が出る。

 

BEYOOOOONDSの新曲「灰toダイヤモンド」をとても気に入っている。『君らしさ遠慮せず輝きな』と言ってくれる応援歌。BEYOOOOOPHONICでもオーケストラバージョンで披露してくれた。とても難しいことをやっていると思うのに、それを感じさせず、輝きがここまで届いている。

youtu.be

 

2024年4月某日

幼稚園の頃からの友だち二人と金沢旅行に行く。

市場のせんべろで刺身とビールを立ち飲みで楽しんで、夜は日本酒をホタルイカの酢味噌和えだったり、白エビの唐揚げだったりを肴にたんまり呑んだ。

 

足もクタクタになって、ホテルでテレビをつけて、ちょうどやっていた NHKの落語や語学番組を三人でぼーっと見ている時間がなんだか愛おしかった。

 

金沢城兼六園の桜が満開だった。金沢城の門をくぐって兼六園に向かう道にはピンク色の細やかな光があった。晴天の青の中、発光している。それを見て胸がいっぱいになる。そこにある全ての光を取り入れたいのに、途中からはいっぱいになりすぎて心が凪いでしまった。でも、桜っていい。見れると嬉しいし、誰かと見たいと毎年思っている。

 

反射して返ってくる

しばらく日記を書いていなかった。文フリに持っていきたいお酒についての本を書いていた。ブースの申し込みもできたし、本の方もおそらくなんとか間に合うと思う。本作りも初めてなのでちょっと心配ではあるけれども。

そちらの文章を書いていて、だんだん過去のことを書いているためか記憶と事実の境が曖昧になってきて、自分の文章のリズムが取れなくなってきたので、久々にこちらに書いてみている。

 

日記を書かない間に会社を退職した。新卒から11年間在籍していた。あまりいい辞め方ではなかったが、丁寧に誠実なメッセージを送ってくれる方もいて嬉しかった。おかげで、「何もできなかった」と暗くなってしまいそうになるところを「そんなこともなかった、やれることはやってきたのだ」と自分を過小評価せずに済んだ。過去の自分は反射して返ってくる。

 

スキップとローファーの10巻を読んだ。スキップとローファーではそれぞれの登場人物が本当に丁寧に描かれている。私たちって優しいだけじゃないし、意地悪なだけじゃないし、苦しいだけじゃないなあって思う。私は主人公たちのような10代のころ、人生を憎んでいてとても苦しかったけれど、きちんと拾い上げていけば楽しいことや嬉しいこともあった。それをこの漫画を読むと思い出すし、もっと人を信頼していればよかった、とも思う。これも反射。

ここまで届く味噌汁

2024年3月某日

少し遠いけれど居心地のいい図書館に行って、バスで帰る。バスに揺られて、胃が気持ち悪い。バスに酔ったのか、コーヒーのせいか。仕事をしていなければ胃が悪いのも治るかと思ったけれど、全然そんなことはなかった。肩こりも、歯軋りも、全然治らない。雨だからか、恨み言みたいに思う。

 

そういえば、昨晩は毎日飲んでいる胃薬を飲まなかった。もう一年くらい毎日飲んでいるのに、昨日は布団に入ってから飲んでいないことに気づいて、なくても生きていけなあかんやろって思ってしまって飲まなかった。飲まないと不具合があるなんて、いつから胃薬も含めての私になったのだろうか、という苛立ち。飲み続けても問題ないから処方されてるのだろうから、胃薬含めての私になったって大したことではないし、これからも生きていけば、いろんなものが私になっていって、その自分を生きていかなきゃいけないのに。

 

家に帰って親子丼と鯖と長芋と小松菜の味噌汁をつくった。お味噌汁の温かさはぐらぐらしている何かの中心まで届いてきた。お味噌汁を作って本当によかった。