本が連れていくもの

2024年5月某日

猫が毛玉を吐く。今年の冬は暖冬でいつもより暖房を入れなかったら、例年よりももふもふと毛深い猫になっていた。毛玉を滅多に吐かない猫だが、ここ数日一気に暑くなったので急ピッチで換毛を進めるにあたって、毛玉が詰まってしまったのかもしれない。吐いた後はけろりといつも通り過ごしていた。

 

ハロプロのアイドルグループであるアンジュルムの、佐々木莉佳子ちゃん卒業コンサートに当選した。卒業公演を見届けられるのは本当にありがたくて嬉しい。ハロプロファンクラブでとったチケットはコンビニ払いしか対応していないので、現金を下ろしに行き、コンビニにて入金処理をする。

 

その帰りにドトールでコーヒーを飲みながら、アリステア・マクラウドの「灰色の輝ける贈り物」を読み進める。カナダ東部の島に生きる人々を描いた短編小説で、一番最初の「船」という物語を読み終わる。姉がいる末っ子の主人公。父親は漁師で、本を読むのが好き。母親は本のこと、姉たちが漁師と結婚せず都会に出たことを嫌っている。本のことを嫌う母親に対して思いを馳せてしまった。本は心理的にも物理的にも人をどこかに連れていってしまうから嫌いだったのだろうか。

 

夕食に、せいろの上に新玉ねぎ、短冊切りにしたにんじん、塩麹につけた鶏胸肉、余っているミニトマトを乗せて蒸す。一つせいろの身が余っていたので、小さめの皿に卵を割り入れ、一番上の段で蒸す。年末に中華街で買ったせいろが本当に活躍してくれており、余った野菜と肉をとにかく蒸すというメニューができるのが便利だ。