体のことを思い出す

2024年2月某日

二年ぶりくらいにきちんとスポーツウェアに着替え、ランニングシューズを履いて3km弱走った。風が強くて、1kmくらいで耳が痛くなってしまう。久しぶりなので、太もももすぐに張ってきて辛くなる。思ったより走れなかったけれど、家に帰ってから疲れよりも、新しいエネルギーが湧き上がるのを感じた。走ると元気になる。

 

20代前半、とにかく走っていた。仕事終わりに、休日の朝に。だいたい1日に5~10km走っていた。そしてフルマラソンを一度走って、ハーフマラソンを一度走って、それから膝を痛めてしまってから走らなくなっていた(足指を使っていないこと、ストレッチが不十分だったためだと思う)。

 

「苦しいってこういうことだ」と走って息が上がって脚が重たくなってきた時に思う。湯船で体を温めないこと、水分を取らないこと、朝を迎えるのを拒んで眠らないこと、そういうとき、魂だけの存在になって、体のことを忘れている。この時に、走る苦しさが体のことを思い出させてくれる。苦しさをこういうことだって断定することがいいことではないけれど、体の苦しさを感じることで、精神的な部分と身体的な部分を調律しているのだと思う。